サービスフロントの mole です。
パリオリンピックだからという訳ではありませんが。
個人的に超・大好きなフランスパン専門のチェーン店があります。
店名はメゾン・カイザー。
フランス人による、フランス人のための(もとい、日本人にも美味しい)、フランスらしさ満載のパン屋さんです。
調理には水が重要といいますが(誰が言ったんですかね)、材料の80%をフランス産にこだわって輸入、もちろん水も当地のものに拘って使用している本格的なパンが堪能できます。
千葉近郊では海浜幕張駅そばのアウトレットモールの中に出店されていて、機会があれば必ず立ち寄るスポットです。
思いがけず午後の時間が空いたある日、妻の見たがっていた映画を見に行くことになりまして。
上映館は幕張本郷ということで、喜んでお誘いに乗っていざ車を走らせることに。
・・映画を堪能したあとは焼きたてパンを山のように買い込み、当分は愉しめるように冷凍して・・と思っていました。
が・・女子団の勢いすさまじく、翌日にはまるで無かったかのように・・(笑)
肝心の映画は、静かに話題になっていた『関心領域』というポーランドで撮られた作品です。
平日なのに座席の半分以上が埋まっていて、驚きました。
ジェノサイド関連なのでちょっと敬遠していましたが、ここ数年見た中で、かなり印象に残った1本でした。
本作はアウシュビッツ収容所の管理所長、ルドルフ一家と、彼らを取り巻く人々のお話・・そう言ってしまえば単純です。
冒頭から、一見すると何気ない・とても恵まれた一家の・典型的な日常の姿が映し出されます。
しかし、ほとんどのシーンで収容所の『壁』が画面の背景に存在感を醸し出します。
実はこの家は、アウシュビッツ収容所のすぐ隣に実在。
(実際にこの建物を使用して、撮影されました。)
ここは悲惨な結果を生み出した施設のひとつです。
にもかかわらず劇中には、凄惨な映像などが一切ありません。
しかし・・『壁』の先から、常に様々な情報が(音や光、叫び声、軍用犬の鳴き声、焼却炉の匂い・・)ヒシヒシと伝わってきます。
この環境に順応している彼ら一家の姿は衝撃です。
家族のちょっとした行動や言葉の端々(受刑者の衣服を嬉々として選ぶ夫人や、押収された金歯をコレクションして遊ぶ子供たち・・etc)から、彼らの感性が崩壊していく過程を理解できます。
・・これ以上は“ネタばれ”になるので割愛いたしますが。
見た人によって、見方や感想が大きく違う作品ではないか、と思います。
『無関心』について、改めて熟考。