話題の中華AI。
いろいろと試しています。
なかなかどうして、アイデア次第で仕事にも充分活用できるスペックがあります。
簡単な計算や作文、もちろん高度な検索(同時にまとめてくれます)など。
ChatGPTとも比べてみましたが、Deep Seekの方が『考える』時間は少ない印象です。
漢字圏の国が開発したものなので、日本語との親和性も良いもよう。
(今は中国語と英語のコマンドしか対応していませんが、いずれ使い勝手も改善していくのでは。)
・・新しいものが最善、という事でしょうか。
使うと怖い、という噂もありますが、まずは使ってみて・・と。
下記の例文は、
--『暖冬』をテーマに、星新一風の短編小説を書いてください。--
というお題を打ち込んだ”回答”です。
(おかしな点も多々ありますがね・・。長いですが、面白いので一応全文載せてみます。)
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実は弊社では、総務の方々による chatGPT講座を企画してくれています。
楽しみですね・・。
AI系ソフトを皆で使って、仕事も充実!といきましょう。
「暖冬計画」
文:星新一(風)
12月の朝、私は窓の霜を拭いながら奇妙な違和感に気付いた。吐く息が白くならない。コートの襟元から冷気が忍び込んでこない。街路樹の銀杏が黄色い葉を落とさずに揺れている。
「本日の最高気温は18度です」
テレビの天気予報が告げる異常な数字に、コーヒーカップが手から滑り落ちそうになった。その時、インターホンが鳴った。
ドアの向こうに立っていたのは灰色のスーツを着た男だった。名刺には「気候調節株式会社 営業部長」とある。
「突然で恐縮ですが、ご近所で当社製品をご利用の方が増えまして。ついでにご案内に上がりました」
男は黒いブリーフケースを開け、掌サイズの金属製装置を取り出した。表面には無数の微小な穴が空いており、青白い光が脈打っている。
「微小気象操作装置『ミクロ・ヒーノ』。半径500メートルの気温を自由に調整できます。今なら初期設定が『快適暖冬モード』になっております」
「冗談でしょう。こんな小さな機械が?」
「大気中の熱核反応を制御する新技術です。先月から当社が試験導入を進めておりまして」
男の指先が装置の側面を撫でる。途端、玄関先に積もっていた人工雪が水蒸気に変わった。窓の外を見れば、公園の噴水から虹が立ち昇っている。
三日後、私は契約書にサインしていた。寒さに震える日々より、春のような冬の方が生産性が上がる。子供たちの風邪も減るだろう。代金は電気代の20%増しという分かりやすいシステムだ。
装置の効果は劇的だった。通勤時に吐く息が白くならない喜び。重いコートから解放された身体。オフィスでは暖房費削減と称してボーナスが支給された。
だが次第に奇妙な現象が現れ始めた。街路樹の紅葉が緑に戻り、ツバキが季節外れの花を咲かせた。公園の池では冬眠するはずのカエルが合唱を始め、野良猫たちが発情期のような鳴き声をあげる。
「心配ありません。植物の光合成効率が向上しているだけです」
問い合わせた営業部長は涼しい顔で答えた。しかし次の週、マンションの壁面を蔦が覆い始めた。コンクリートを押し裂く勢いで成長する緑の触手。消防車のサイレンが夜通し響くようになった。
テレビのニュースキャスターが伝える。「異常気象の原因は依然不明。専門家は『未知の熱源が生態系を狂わせている』と指摘します」
その夜、私は装置のスイッチを切ろうとした。金属ケースは異様に熱く、液晶パネルに警告文が点滅する。《現在の生体適応度98%。停止すると急激な環境変化により健康被害が発生する恐れがあります》
冷や汗が背中を伝う。窓の外では蔦がガラスを軋ませ、隣の部屋で幼い娘が半袖のパジャマで眠っている。スイッチを押す指が震える。
明日、営業部長に相談しよう。きっと追加料金で何とかなるはずだ。人類は昔から冬と戦ってきたのだ。暖房費を払うか、光熱費を払うかの違いだけではないか。
ベッドに入りながら考える。来年は雪山リゾートが廃業するかもしれない。スキー用品店の店主は何に転向するのだろう。でも誰も寒い冬には戻りたくない。きっとみんな同じように考えるに違いない。
時計が午前二時を告げる音と共に、壁の蔦が割れた窓ガラスを突き破ってきた。