多くの商品を運んでいる冷凍車。

適切な温度で商品を運ぶ冷凍車ですが、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか？

今回は冷凍車の基礎知識や種類、冷蔵車や保冷車との違いなどを詳しく解説していきます。

目次

1. 冷凍車とは？
2. 冷凍車の種類
3. 冷蔵車や保冷車との違い
4. 冷凍車の冷凍方式
5. 使用上の注意点
6. まとめ

■冷凍車とは

冷凍車とは、内部に冷却装置を備えた貨物車のことで、温度管理が必要な荷物を輸送するために用いられます。

冷凍車は、食品や医薬品などの温度管理が必要な商品を輸送する際に欠かせない車両であり、冷凍食品や冷凍医薬品を店舗や医療機関に納品する際にも利用されます。冷凍車の主な構成要素は、貨物室、冷却装置、断熱材、制御装置などです。貨物室は、荷物を輸送するための部分であり、荷物の大きさに応じてサイズが異なります。

冷却装置は、貨物室内の温度を管理するために搭載されます。冷却装置には、エンジン駆動式と電動式の2種類があります。断熱材は、貨物室の内部を保温するために使われます。また、制御装置は、冷却装置や断熱材の制御を行うための装置です。

 

小型から大型まで冷凍バン揃っています！

■冷凍車の種類

冷凍車には、蓄冷式と直冷式の2種類があります。

蓄冷式冷凍車は荷物を運ぶ前に貨物室を冷却し、冷却装置を停止させて荷物を輸送する方式です。一方、直冷式冷凍車は、冷却装置を常に稼働させて荷物を輸送する方式です。直冷式は、輸送中の温度管理に優れている反面、燃料消費が多くなりがちであるため、蓄冷式に比べて燃費が悪くなる場合があります。

冷凍車には、保冷車という類似した車両もありますが、保冷車は冷却装置を搭載していないため、冷凍車ほど低い温度の管理ができません。一般的には、0℃以下の温度管理が必要な場合には冷凍車を使用し、0℃以上の温度管理が可能な場合には保冷車を使用することが多いです。

 

■冷蔵車や保冷車との違い

冷蔵車と保冷車は、食品や医薬品などの冷蔵・冷凍品を輸送するために使用される車両です。

 

■冷蔵車

冷蔵車は車両内部を特定の温度に保つために、搭載された冷却装置で空気を冷却できます。

冷蔵車は、食品などの温度管理が必要な商品を輸送するために使用されます。食品や医薬品は、適切な温度管理が必要であり、温度が上がると品質が劣化するため、冷蔵車が必要とされます。

 

■保冷車

保冷車は車両内部を温度管理するために、断熱材を使用して車両内部の温度を保てます。

保冷車は、冷蔵品よりも温度管理がゆるやかである商品を輸送するために使用されます。例えば、ビールや飲料水などが挙げられます。また、冷蔵車は、温度を下げられるため、冷凍品の輸送も可能です。一方、保冷車は、冷凍品の輸送には適していません。

その他の違いとしては、冷蔵車は、冷却装置や発電機などを搭載しており、電源が必要です。一方、保冷車は、電源を必要としません。保冷車は、断熱材で車両内部を保温できるため、長時間の輸送に適しています。

 

■冷凍車の冷凍方式

冷凍車には、機械式、蓄冷式、窒素式の3つの冷凍方式があります。

 

■機械式

機械式冷凍方式は、冷凍庫内に設置された圧縮機を使って冷媒を循環させる方式です。

圧縮機は、冷媒を蒸発器に送り込み、蒸発させることで温度を下げます。この冷却した空気をファンで循環させ、冷凍庫内の温度を一定に保ちます。機械式冷凍方式は、冷凍庫内の温度を精度良く管理でき、比較的広い温度帯に対応できます。

 

■蓄冷式

蓄冷式は車両内に設置された蓄冷材を使って、冷凍庫内の温度を下げる方式です。

具体的には蓄冷材を夜間などの安い電力時に冷やし、冷凍庫内の温度を下げる際に蓄冷材を溶かすことで、冷凍庫内を冷やします。この方式は、蓄冷材が熱を吸収する際に発生する余熱を利用して、冷凍庫内を温められます。そのため、エネルギーの効率的な利用ができ、省エネ性に優れています。

 

■窒素式

窒素式は冷凍庫内に液体窒素を注入し、庫内温度を下げる方式です。

液体窒素は低温で沸点が低いため、冷凍庫内に注入すると急速に蒸発し、周囲の温度を下げます。冷凍庫内の温度を一定に保つため、液体窒素を自動的に補充する装置が必要です。築礼式冷凍方式は、温度調節が容易で、急速に温度を下げられます。

 

小型から大型まで冷凍ウイング揃っています！

■使用上の注意点

 

冷凍車は積荷の温度を適温保持するために準備やメンテナンスが大事です。

冷凍車に荷物を積む際は、ボディ部分の温度を下げて一定に保つために2つの工夫が必要です。事前に予冷してボディ部分の温度を下げることもポイント。荷物は隙間を開けて積んで、冷気をボディ部分の全体に循環するようにしましょう。

冷凍車は食品運送を行うので、ボディ部分の清掃が必要です。さらには、冷却性能を保持するために定期的にドレインホースの水洗いと破損確認も必要です。

 

■まとめ

冷凍車は荷台部分に冷却機能が付いた-25度前後まで保管温度を下げられるトラックです。

冷凍車を使って運搬する際は、今回の内容を参考して積荷に適した温度や用途に応じて車両を選びましょう。

小型から大型まで冷凍バン揃っています！