トラックの所有者が絶対に忘れてはいけないのが「車検」です。車検のタイミングが来る度に、「手間をかけたくない」、「車検費用を安く抑えたい」と思うのではないでしょうか。 今回の記事を読めば、トラックの車検の有効期限や点検内容について理解ができて、ひと工夫を加えれば維持費を抑えられるでしょう。トラックをお持ちの方もこれから購入を考えている方も、ぜひ読んでみてください。
目次
トラック車検の有効期限
最初に、トラックの車検の有効期限はどのくらいかをご紹介します。トラックの車検の有効期限は過酷な使用状況を想定して自家用車よりも短く設定されているほか、総重量が8t以上と8t未満でも期限に差があります。 この項目では、総重量が8t以上および8t未満のトラックそれぞれの車検有効期限をご紹介します。
8t以上のトラック|初回1年・2回目以降1年
総重量が8t以上のトラックが初回の車検期限を迎えるまでの期限は1年、2回目以降は1年ずつです。 道路運送車両法61条に記載されている「運送事業や貨物運送用に使用している自家用車で、対象軽自動車以外のもの」に当てはまるので、購入後は毎年車検を受けて検査証を取得しなければなりません。
8t未満のトラック|初回2年・2回目以降1年
総重量が8t未満のトラックが初回の車検期限を迎えるまでの期限は2年、2回目以降は1年ずつです。 道路運送車両法61条2項1に記載されている「自動車検査証有効期限が1年と定められている車両のうち、車両総重量8t未満の運送用自動車は有効期限が2年となる」規定に当てはまります。8t未満のトラックは、8t以上のトラックと異なり、車検初回までの期限が長いですが、2回目以降は毎年車検を受けて検査証を取得しなければならないので注意しましょう。
トラック車検の主な点検項目
車検に合格して検査証を取得するためには欠かせないポイントが数多く存在します。 いずれの項目も整備工場へ点検作業を依頼した際に実施されている内容ですので、大まかな内容を把握しておくと良いでしょう。後々、車検に不合格となってしまった際に何が原因であるのかわかりやすくなります。
指定整備点検
点検項目で最初に挙げられるのは「指定整備点検」です。エンジンルームや運転席・助手席、サスペンションやトランスミッション、ボディなど多岐に渡って車体の隅々を点検し、破損や故障がないかどうかのチェックを行います。 代表例がエンジンオイルの汚れ・液量チェックです。オイルが汚れている、あるいは液量が減っていてオーバーヒートにつながる可能性がある場合、新しいオイルへ交換する作業を行う場合があります。
ブレーキの分解点検と清掃
2点目の点検項目は「ブレーキの分解点検と清掃」です。 ブレーキディスクやキャリパーが摩耗していないかどうか、周辺の部品を分解して点検します。ディスクやキャリパーの厚みが減っている場合は新しい部品に交換する、ブレーキ周辺の部品に錆びがみられる場合は研磨作業をします。 ブレーキはドライバーだけでなく、人を守るために重要な部分ですので、車検では重要な点検ポイントです。
排気ガスの測定
3つ目の点検項目は「排気ガスの測定」です。点検では、車検時のガス濃度検査をクリアするために、エンジンのエアクリーナーをチェックして清掃作業を行っています。 一酸化炭素や窒素酸化物などの排気ガスに含まれる有害物質の規制値は、「日本自動車工業会」により決められています。また、ディーゼルエンジンを積んでいるトラックは、都道府県の法令で基準値を超える場合は走行不可となるなど規制が厳しいです。
トラックの車検が通らないよくある理由と対処法
トラックの車検を受ける際に注意しておきたいポイントを紹介します。紹介する内容は、定期点検やこまめな運転前のチェックで回避できるので、日頃から注意しておきましょう。
タイヤが摩耗している
1つ目は「タイヤが摩耗している」例です。トラックも自家用車同様に、一般道路を走行する場合にタイヤの溝が1.6mm以上残っていないと道路交通法違反となります。そのため、タイヤに1.6mm以上の溝が残っていなければ車検に不合格となり、検査証を取得できません。 車を安全に運転するためには、タイヤを良い状態で保つことが大切です。日頃からの車両の点検や法定点検を忘れずに受けましょう。タイヤの状態をこまめにチェックして、摩耗している場合は交換を済ませておくと車検に合格できます。
装着している部品が破損している
2つ目は、「装着している部品が破損している」例です。トラックには、ゴムや金属でできた部品が多く装着されています。これらは走行に不可欠な部品であるため、劣化などで破損していると車検に合格できない場合があります。 部品が破損した状態で運転していた場合、他車との交通事故や火災、タイヤが脱輪するなどの事故につながります。以下の対処法を施して、車検で不合格にならないように心掛けましょう。
エンジンに不具合がある
3つ目は、「エンジンに不具合がある」例です。エンジンは、オイル漏れや急に吹け上がりが悪くなるなど不具合や故障が生じやすい部品です。 エンジン内の部品を劣化させたままの運転は故障につながりやすいので、スパークプラグやエンジンオイルの交換を定期的におこないましょう。運転中もエンジンの状態を気にかけて、少しでも違和感があったら販売店に相談しておくと車検で慌てずに済みます。
トラックの車検費用の相場
この項目では、トラックの車検でかかる費用を相場で紹介していきます。車検には3つの選択肢があり、それぞれかかる費用が異なります。 「整備工場車検」や「ユーザー車検」、「車検代行」の違いをあらかじめ理解しておくと無駄な費用を払わずに済むでしょう。
整備工場車検は6万円~13万円
整備工場車検とは、街なかにある自動車専門の整備工場や販売ディーラーに併設している工場などで車検を受ける方法です。地方運輸局長による許可を受けた整備工場で、車両の整備から検査証の手続きまで一括で済みます。 手数料込みで換算すると4t中型トラックの場合であればおよそ6万円から7万円、10t大型トラックの場合は12万円~13万円程度が相場です。
ユーザー車検は3万円~4万円
ユーザー車検とは、使用している車を登録している陸運支局まで自分で持ち込んで検査証を取得する方法です。民間の整備工場で点検作業を通さずにそのまま陸運支局まで持ち込んで車検を受けるので、作業の依頼費用を節約できるメリットがあります。 ユーザー車検を利用した場合、自賠責保険と自動車重量税を除いて追加で検査手数料の1,800円がかかります。
(参考)事業用トラックをユーザー車検で通した場合の例※
- 4t中型トラックの場合 20,800円(重量税)+7,200円(自賠責保険料)+1,800円(検査手数料)=29,800円
- 10t大型トラックの場合 28,600円(重量税)+7,200円(自賠責保険料)+1,800円(検査手数料)=37,800円
※エコカーの減免などの要素は加味しておらず、1年間事業用登録で、新車登録から13年未満の車両で換算
車検代行は4万円~5万円
車検代行とは、トラックのオーナーが自ら整備作業をおこない、最寄りの地域にある陸運支局での検査は業者に委託する方法です。整備士の資格を持っているか、もしくは運送会社などを運営していて自前で整備工場を持っているといった環境があれば、車検代行を活用するのも1つの手段ではないでしょうか。 車検代行を依頼する手数料の目安は、8000円~12000円程度が相場であり、加えて自動車重量税と自賠責保険料を支払う流れとなります。
(参考)事業用トラックを車検代行で通した場合の例※1
- 4t中型トラックの場合 20,800円(重量税)+7,200円(自賠責保険料)+8,000円(車検代行手数料 ※2)=36,000円
- 10t大型トラックの場合 28,600円(重量税)+7,200円(自賠責保険料)+8,000円(車検代行手数料 ※2)=43,600円
※1 エコカーの減免などの要素は加味しておらず、1年間事業用登録で、新車登録から13年未満の車両で換算
※2 車検代行手数料を8000円と仮定
トラックの車検費用を抑えるには減トンが有効
トラックの車検費用を抑えるには減トンして車検費用を抑える方法が有効です。例えば、10t大型トラックを4t中型トラックに買い替えると、燃料費の削減をはじめとした維持費の節約につながり、車検でも自賠責保険や自動車重量税を抑えられます。 10tでなくても4tの車両で十分に仕事ができるなど使用用途が変わった場合、早めに買い替えれば高値での買い取りが期待できるでしょう。トラックも年式が経過すると同時に各部分の劣化が生じ始めるので、高値が付くうちに売却して、より小型な車両への乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
中古トラックに関することはステアリンクへ
トラックは自家用車と比較すると車検期限が短いです。車検費用を節約するためにユーザー車検を選択すると、場合によっては再検査になる可能性があります。それならば、トラックを買い替えるのも一つの手です。 中古トラック専門店「ステアリンク」では、中古トラック販売や買い取り、レンタル、整備まで自社で幅広いサービスを提供しています。今まで使っていたトラックをどうするか困っているなどのお悩みがありましたら、ぜひステアリンクにお問い合わせください。