トラックは普通車と制動距離が違います。
普通車と同じ感覚で運転すると、大きな事故に繋がる可能性もあります。そうなる前に、トラックの前の制動距離を把握しておくと安心ではないでしょうか。
そこで今回は、トラックの制動距離の違いやブレーキのコツを解説します。
目次
大型トラックの制動距離
制動距離とは、ブレーキが効き始めて車が止まるまでに走る距離を指します。
制動距離は「空走距離」「停止距離」もあり、それぞれの意味をしっかり把握することもポイントです。空走距離とはドライバーがブレーキを踏んでから実際にブレーキが作動するまでに走る距離で、制動距離と空走距離を合わせた事を停止距離と呼びます。
高速道路などを走っている時の制動距離は、トラックは普通自動車の2倍ほどが必要。制動距離はブレーキの正常な作動率や天候、路面状態やタイヤの空気圧などで大きく変化します。
制動距離が伸びる最も大きな理由は、車の「重量」「スピード」。トラックはこれらが普通自動車よりも大きいので制動距離も長くなります。さらには、「ドライバーが集中していなかった」「脇見運転していた」「居眠り運転していた」などの事情が加わると、車が止まるまでの距離はさらに伸びます。
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制動距離は荷物や路面状況にも左右される
制動距離は、トラックの重量やスピードが影響しくるのです。
トラックは荷物量で制動距離が変わる
トラックはどれくらい荷物を積んでいるかで制動距離は変わります。
過積載(荷物を積み過ぎている状態)ではブレーキの効きが悪くなって、制動距離も長くなり危険な状態です。下り坂やスピードを出ている状態では過積載トラックはブレーキの負担が大きくなって、加熱され過ぎてブレーキが効かないフェード現象が起こることも。
低速走行では荷物が軽いと制動距離が短くなる
トラックが低速走行している時に荷物を積んでいない状態では、制動距離が短くなります。
高速走行時ではブレーキになる重量がない分、制動距離が長くなることがあります。トラックの制動距離が最も短くなるのは、「定量を積載している状態」なのです。
併せて、路面状況でも制動距離は変わります。スピードやタイヤの状態にもよりますが、雨や雪などで路面が濡れている時は路面乾燥時よりも1.5倍~2倍程度制動距離が伸びます。
トラックを安全に走行させるコツ
最後にトラックを安全に走行させるコツを解説します。
これまでの解説は、以下の書籍にも記載されています。
「縦すべり摩擦係数fの値は、タイヤ条件(タイヤゴム質、路面模様、タイヤ内圧及び接地圧、輪荷重、タイヤサイズ等)、路面条件(路面の種類、骨材の性質、結合材の材質および量とその状態。路面の粗さ、路面の異物、乾湿、路面温度、季節による変化)、および制動条件(制動時の速度、ペダルの操作状態)などによって異なる。」
引用:道路構造令の運用と解説
・タイヤを良い状態に保つ
・天候(雨や雪など)に合ったタイヤを使う
・スピードの出し過ぎに注意する
・過積載にしない
・路面が濡れている時や下り坂は特に注意する
これらのことを守ると制動距離が短くなり、安全にトラックを運転するポイントです。
まとめ
今回は、トラックの制動距離の違いやブレーキのコツを解説しました。
トラックは普通車よりも制動距離が長いので、早めのブレーキが事故を防ぎます。急ブレーキは事故を引き起こすので、道路上の異変を感じたらゆっくりとスピードを落として、ブレーキを踏みましょう。
今回の記事を参考にして、トラックを安全に運転することを意識してはいかがでしょうか。