トラックは、物流業界のなかで無くてはならない存在です。
運搬に欠かせないトラックですが、長時間の移動距離が多いので燃費を気にされる方が多いのではないでしょうか。しかし、トラックの燃費は乗用車と比較すると悪い傾向があります。理由としては、トラックに搭載される装備や荷物自体の重量がかかり車両重量が重くなるから。
トラックにはディーゼルエンジンを採用しているものが多くありますが、乗用車のようにハイブリット車はそんなに普及していません。重い荷物と共に長距離を走行するトラックを、可能な限り低燃費で走れたらと感じるものです。
今回は、トラックの燃費向上方法やサイズ別平均燃費を解説します。
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目次
トラックの燃費は乗用車よくかなり低い
トラックはディーゼル車が多く採用されていますが、自家用車に比べると燃費は悪くなりがちです。
燃費が悪い理由は、車体の大きさや車重や荷物の重さがかかることが主な原因。軽トラックなどの小型トラックを除くトラックは、乗用車と比べると車体が大きく重量が重い車両ばかり。荷物を運ぶ車なので車両のサイズにより積載重量が異なってきます。数百から数トン単位の荷物を運ぶため、車両全体が重くなり燃費が悪くなるのです。
トラックと乗用車の燃費差は、ガソリンエンジンの乗用車が平均11〜14Km/L・ハイブリットの乗用車が平均15〜20Km/Lです。トラックは4~11Km/L程度で、乗用車にも小型車やSUVなどの大型車があるので燃費にばらつきがあり、トラックの燃費は乗用車と比べかなり低いことがわかります。また、トラックの燃費は荷物を積載している場合と空荷の場合で燃費が大きく異なります。
トラックの燃費は車両の大きさや積載する荷物の重量から、乗用車よりも低い燃費になるのです。
カタログに記載されている燃費と実燃費
トラックのカタログ燃費と実燃費には違いがあります。
カタログ燃費とは、各メーカーが発行しているカタログに記載されている平均燃費です。新車の発売前に走行テストを重ねて打ち出された数値ですが、カタログ燃費に届かないことも多々あります。その理由としては、渋滞時や道路の路面状況、積載物の荷重の取り方などが燃費に影響するためカタログ値には考慮されていません。
カタログ燃費算出方法は、規程の条件下で走行テスト時に記載されます。走行テストはシャシーダイナモメーターと呼ばれる専用の機器で計測され、機器のローラー上にトラックを走らせます。その後『走行距離÷給油量』の計算式で燃費が計られます。また、走行テストでは、経年劣化のない新車を用いて燃費計算が行われます。
そのため、目安の実燃費はカタログ値の0.6程度と把握するほうが無難です※使用条件による。
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トラックの燃費向上方法
ここでは、トラックの燃費向上方法を解説します。
満タン給油しない
燃料を給油するとき満タンにせず、7~8割程度の給油にすることで燃費の改善に繋がります。
トラックの燃料タンクは100~400Lと容量が大きいため、満タンにすると余分な重さを抱えてしまいます。そのため満タンにするのではなく、給油を7~8割程度に抑えることで車両重量が軽くなり燃費アップが期待できます。
急発進・急加速を避ける
急発進や急加速も燃費悪化の原因になります。
トラックに関わらず車両が最も燃料を必要とする時が、停車時からの発進と急加速した場合です。アクセルを最大に踏み込むと、通常運転の3倍以上の燃料を消費します。また急発進・急加速の原因は、停車時の「よそ見」に多く原因があるといわれております。
最適なマニュアル操作
ギア・チェンジを最適なタイミングで行うことで燃費の改善が期待できます。
停車時から発進する際、低いギアから高いギアにギア・チェンジをすることをシフトアップといいますが、シフトアップのタイミングの悪さ、例えばローギアからシフトアップが遅かったりすると動力の無駄使いになりその分燃費が悪化します。
メンテナンスを行う
メンテナンスを定期的に行うことで、オイル上がりなど走行中の故障防止にも繋がります。
併せてトランスミッション(ミッション・オイル)なども、定期的にオイルを交換する必要があります。トランスミッションは、交換頻度が低く忘れがちになりますがトラックの劣化に影響するメンテナンスのためしっかりと管理する必要があります。
タイヤの空気圧を維持する
タイヤの空気圧が低すぎる場合、路面との摩擦が増え燃費が悪くなります。
トラックの空気圧は、通常で小型トラックで5~6Kg、中型トラックで7~8Kg、大型なら8.5~10Kg程度です。重い荷物を積むことの多いトラックでは、タイヤの空気圧が抜けることがありますので、給油時にこまめに確認しましょう。
トラックのサイズ別平均燃費一覧
ここでは、トラックのサイズ別平均燃費をまとめてみました。
軽トラ
【日産】クリッパー 19.8Km/L
【スバル】サンバー15.3Km/L
【ホンダ】アクティ17.8Km/L
軽トラックの平均燃費は約17㎞/Lです。
普通免許で運転できるので会社車両や個人ユースも多く、また農業などで利用している方もも多数です。小型トラックでもサイズが小さいので、狭道でも移動できる点が特徴の一つです。多少の荷物であれば十分な積載量を持つトラックなので、必要免許の種類からも汎用性の高いトラックです。
小型トラック(2t)
【いすゞ】エルフ 11.8Km/L
【ふそう】キャンター 11.6Km/L
【UD】カゼット11.2Km/L
2トントラックの平均燃費は約11㎞/Lです。
燃費は軽トラックには及びませんが、比較的燃費が期待できるトラックです。2t小型トラックは短距離の運搬に使用されることが多いトラックです。小回りもきくので、都内や住宅街などの狭い道でも走行できます。
中型トラック(4t)
【いすゞ】フォワード 8.1Km/L
【ふそう】ファイター7.3Km/L
【UD】コンドル8.1Km/L
4tトラックの平均燃費は約7.5㎞/Lです。
中型トラックは、中型免許が必要となりますが使い勝手のよいサイズであることから、狭道の多い都内でも良く見かけるトラックです。他のサイズのトラックと比べて最も流通台数が多く、またドライバー層の高いトラックとなっています。
大型トラック(10t)
【いすゞ】ギガ 4.45Km/L
【ふそう】スーパーグレート 3.85Km/L
【UD】クオン4.4Km/L
大型トラックの平均燃費は約4㎞/Lです。
トラックのなかでは大きいことから、空気抵抗の面から燃費が悪くなりやすいトラックです。大型トラックの特徴は、積載重量が高く、また大型にも特殊車両というものがあり走行するために道路使用許可申請を伴うトラックの種類もあります。数日を要する長距離搬送が多く、必要な免許の種類の点からもドライバーが不足している傾向です。
まとめ
トラックの燃費は、車体形状や車体重量に影響します。
しかし、運転方法や路面状態などのルート見直し、メンテナンスなどをしっかり実施すれば燃費の改善に期待できます。トラックドライバーだけではなく、運送会社の経営者にとっても燃費は気になる項目の一つです。できれば燃費のよいトラックに乗りたいと思っているドライバーも多いはず。
運転方法やメンテナンスを見直し、トラックにも環境にもやさしい運転を心がけましょう。
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