気温が高い夏場にエアコンで温度調整されている車内に入ると非常に気持ちが良いことから、エアコンの効いたトラックのキャビンで1日の多くの時間を過ごすドライバーは夏場の暑さとは無縁のような印象を受けます。
しかし夏の暑さの影響で熱中症の発症リスクが高まるのはトラックドライバーも同様ですし、熱中症以外にも夏のトラック運転時にはさまざまなトラブル発生リスクが潜んでいます。夏のトラック運転時の注意点やドライバーが陥りやすい熱中症対策、効果的なアイテムなどを紹介します。
目次
夏場のトラック運転時に発生リスクが高くなるトラブルの注意点とは?
海辺では楽しむことができるものの、日常生活や仕事中には勘弁してもらいたいと感じるのが夏場の暑さではないでしょうか?うだるような暑さのなかでは、エアコンで温度調整されたキャビンに座りトラックの運転を行うドライバーは夏の暑さと無関係なように見えますが、実は夏場はトラックドライバーにとっても過酷な季節であると言えます。
気温が高くなる夏場はトラックドライバーにとって厄介な季節となる!
トラックを安全に走行させるための条件として「エンジンに代表される発熱する機関の温度調整」が挙げられますが、外気温が高くなる夏場は冷却装置をフル稼働させても冷却効率が低下するため車両故障が発生しやすい季節だと言えます。
安全かつ確実に積み荷を目的地に輸送する使命を背負いながらハンドルを握るトラックドライバーにとって、夏の暑さは車両故障で延着リスクを高める厄介なものであることは間違いなく、夏の気配を感じる度に憂鬱な気持ちになるドライバーは少なくありません。
夏場のトラックは車両故障以外にもトラブル発生リスクが高まる
夏の気配を感じドライバーの気が重くなる理由は車両故障発生リスクの高まりだけではなく、夏はトラックの正常な運行を妨げる原因となる多くのリスクが潜んでいますので次項でトラックドライバーを悩ませる夏のトラブルを紹介します。
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高温となる夏場のトラックのキャビンで発生するトラブルとは?
エアコンが利いたトラックのキャビンは快適だと言えますが、電力消費量の大きなトラック搭載エアコンをエンジン停止時に使用するとバッテリー上がりの原因となりかねませんので、エンジン停止中はエアコンを使用できません。
納品の時間調整時などは騒音や排ガス問題でエンジンを停止することが求められるため、トラックのキャビン内は24時間温度管理が行われている訳ではないのが実情です。気密性の高いキャビンで夏場にエアコンを停止するとアッと言う間にキャビンは移動式サウナに変化しますので、夏場のトラック運転は暑さとの闘いであると言っても過言ではありません。
高温化した夏場のキャビンでは思いがけないトラブルがトラックドライバーを襲う!
サウナのように温度が上がったトラックのキャビン内部で、特にダッシュボードやハンドルはうっかり触ると火傷を負いかねないほど高温状態となります。このため、トラックのキャビンに放置したスプレー缶や炭酸飲料の入った缶、ライターなどが破裂するトラブルが発生することもあるので高温状態のキャビンは非常に危険な状態に陥ると言えます。
夏場のトラックは車両火災の発生リスクも高まる
トラックの車両火災は甚大な被害が生じる上に死傷者が発生することもある深刻で絶対に避けたいトラブルですが、夏場は車両火災発生リスクも上昇します。
車両火災の多くはエンジンルームに置き忘れたウェスなどの可燃物の発火やブレーキ引きずりなどによって引き起こされますが、フロントガラスやドアのガラスに取り付けている吸盤がレンズのような働きをして強い太陽の光を集中させることでキャビン内で発火し車両火災が発生する事故も存在します。
夏場の行楽客増加で悪化した道路状況はドライバーの疲労を蓄積する
行楽シーズンでもある夏は多くの行楽客が乗車する一般車両が激増する季節であることも、夏場のトラック運転に大きな影響を与えます。既述のとおり積み荷を安全・確実に目的地に輸送するためにハンドルを握るドライバーにとって想定外の渋滞や事故に巻き込まれるリスクが高くなる夏は運転環境が過酷となると言えます。
運転技術に劣るサンデードライバーが運転する車両や若年ドライバーによる無謀運転も夏は増加傾向にあり、通常より運転に神経を使うことでドライバーの疲労が蓄積することは言うまでもありません。
空調の利いたキャビンと外部の温度差がトラックドライバーの体力を奪う
行楽客増加による夏場の道路環境の悪化はドライバーの疲労蓄積を引き起こしますが、疲労蓄積と共にドライバーの体力を奪うのが温度差だと言えるでしょう。
エンジン稼働中でエアコンの利いたキャビンと車外の温度差が非常に大きなことから、乗り降りの頻度が高い場合は激しい温度変化を何度も経験することになりますし、納品の時間調整でエンジンを停止したキャビン内部の激しい温度変化も体に堪え体力低下を促すものです。
夏場に体力低下と疲労蓄積で生じるのが夏バテですが、夏バテはドライバーにとって非常に危険なうえに厄介な存在だと言えます。
夏バテによる体力低下は漫然とした運転に繋がる!
安全なトラックの運行を行うためにはドライバーが本来持っている注意力や運転技術を駆使しながら運転する必要がありますが、体力低下と疲労蓄積で夏バテした状態では本来の注意力や運転技術を発揮することが難しくなります。
特に疲労の蓄積は居眠り運転の原因になりかねませんし、注意力が低下した状態で行う漫然運転は主な事故発生原因に挙げられる危険な状態だと言えます。
夏場のトラックドライバーは熱中症対策も重要?
夏バテは代表的な夏場に発生する健康トラブルとして位置付けられますが、夏バテ同様に夏場に発症リスクが高くなるのが熱中症です。熱中症は短時間で発症する上に自覚症状が少ないことから気付かないうちに症状が進行してしまう非常に厄介な健康トラブルだと言われています。
空調の利いたキャビン内で運転するドライバーでも熱中症の発症リスクは低くない
熱中症に対して「直射日光を浴びながらの作業や高温の室内での作業中に発症するもの」という認識を持つ方は少なくないようですが、エアコンの利いたキャビンでトラックの運転を行うトラックドライバーにも熱中症発症リスクが潜んでいます。
トラックの安全な運行実現のためにはトラックドライバーが夏のトラック運転時の熱中症対策を掴んでおくことが非常に重要であると言えるでしょう。
夏場トラックドライバーに襲いかかる熱中症とは?
進行すると意識不明に陥るリスクがある熱中症は、トラックのハンドルを握るドライバーにとって大きなリスクとなる健康トラブルです。夏のトラック運転中に突然意識を失った場合、その先にどのような悲劇が待っているのかを想像するだけでも、熱中症の恐ろしさを感じることができるのではないでしょうか?
夏場トラックドライバーが発症する熱中症の予防策や発症時の対処法とは?
熱中症は気付かないうちに症状が進行し運転中に意識を失うなどの最悪の発症例が生じるリスクのある健康トラブルですので、熱中症の予防策や発症時の対処法はトラックドライバーが知っておくべき重要な情報の1つだと言えます。
熱中症の初期症状は自覚症状が少ないことは既にふれましたが、眩暈やフラつきなどとして現れますので夏場のトラック運転中に眩暈やフラつきなどを感じた際には疲労蓄積や体力消耗による夏バテではなく熱中症の初期症状を疑うことを強くおすすめします。
市販されている熱中症対策アイテムの活用は効果的
熱中症は体内で発生した熱を放熱するメカニズムが狂うことで熱失神や脱水症状などが引き起こされるもので、水分補給と電解質(ナトリウム)の補給が効果的な対策となります。
基本的な熱中症予防は体温上昇を抑えることと十分な水分補給を行うことですが、市販の塩飴などで塩分補給を行うことでさらに高い効果を得ることができます。また太い血管が通っている首筋を冷やすことで体温降下を促すことができますので、首筋を冷やす市販の冷却バンドなどを使用して体温調節を行うのも効果的です。
熱中症を発症した場合は、涼しい場所に移動し着衣などを緩めて体温放熱を促しながら首の両脇・脇の下・大腿付け根前面など太い血管を冷やして体温降下に努めることで症状緩和が行えますが、重症の場合は救急車の手配を行いしかるべき処置を受けて下さい。
夏場のトラック運転には特に徹底した健康管理が求められる
疲労蓄積や体力消耗で夏バテしやすい上に熱中症リスクも存在する夏場のトラック運転は著しくドライバーを疲弊させる非常に過酷なものですので、健康管理に努め水分補給や市販の塩飴、体温調節アイテムなどでの熱中症予防が重要となります。
また汗をかいた後には濡らしたタオルで汗を拭き上げ着替えを行うなどの工夫で、心身共にリフレッシュさせることもできますので自分流の工夫を凝らした夏場対策で過酷な暑さを乗り切りましょう!
まとめ
うだるような暑さのなかで行う荷物の積み下ろしはまさに「ザ・肉体労働」をイメージさせますが、大量に汗をかいた後でエアコンの利いたキャビンに乗り込むと文明の利器のありがたさを痛感するものです。
しかし急激な温度差は体調不良の引き金になりかねませんのでできるだけ避けるべきですが、体温が上がったままでは熱中症リスクが高くなり、ドライバーにとって夏場は本当に厄介な季節だと言えますので次に挙げる熱中症予防策や対処法を実践しながら夏も安全にトラックを運行させて下さい。
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