弊社に寄せられるお客さまの声には「ウイング車」と「エアサス車」の違いを教えて欲しいとの質問があります。
そこで、ウイング車とエアサス車の違いについてご説明します。
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目次
■ウイング車とは
ウイング車とは、鳥の翼を広げたようなイメージで荷台側面部が開閉するトラックのことです。
側面のパネルが開閉するため、フォークリフトとパレットを利用し、大型の荷物や大量の荷物もスムーズに積み下ろしが可能となり作業効率が向上します。側面から荷積みをするため、隙間なく荷物を積めるのもウイング車の大きな特徴です。
また、側面のパネルを開くと、それが屋根代わりとなりますので、雨天時でも荷物を濡らすことなく安全に積み下ろし作業ができます。
ウイング車の側面を開閉するための動力として油圧装置や電動モーターを搭載しています。そのため、その分の重量が増加し車両重量が重くなってしまいますので積載量が減トンされます。
ちなみに、ウイング車はアルミで作られていることから「アルミウイング車」とも呼ばれ、他にも「ガルウイング車」「側面開閉車」と呼ばれることもあります。
通常のトラックの場合、後方に設置されている扉もしくは側面に取り付けられた扉を開けて荷役作業を行いますので、荷物を奥まで積むのが困難であったり、奥に積んだ荷物を取り出すのが大変です。
運送に使用されるトラックは様々ですが、荷台の形状によって大きく3つに分けることができます。
まず荷台がフラットな平ボディの平車。屋根がないため、クレーンなどでの荷積みや荷降ろしが容易にできる反面、荷物が雨に濡れやすく、シートなどでの荷物の保護などが必要となります。
次に屋根付きで箱型のバンボディを持つ箱車です。平車と異なり屋根があるので、荷物を雨風から守ってくれますが、主に後方からしか荷降ろしができず、フォークリフトなども使用しにくいため、荷物の積み下ろしに時間がかかります。
両者の長所を兼ね備えることによって、その欠点を克服したのが、ウイング車です。
メリットとして屋根があることで雨天時でも荷物を濡らすことなく、側面が開くので横からフォークリフト等で荷物の積み下ろしが可能になります。
デメリットとしてウイングの開閉動作に必要な電動モーターや油圧装置を備えているため、ボディが重くなり、その分の通常バンボディと比較すると燃費が悪くなります。
また特殊な装置を搭載していることで、車体価格が高くなり、故障した際のメンテナンス費用も上がります。
ウイング車は、荷積みや荷降ろしといった運送時の利便性だけではなく、さまざまな用途で使われています。
例えば、簡易的な野外ステージとして使うことが可能で、ショーをするなど音響設備を搭載することでコンサートを行うことができます。
またウイングの外板に太陽電池パネルを装着することで、太陽光を利用した電源車として利用している例もあります。
■ エアサスウイングとは?
「エアサス」とはエア・サスペンションの略です。
エアサス車はエア・サスペンション付きのトラックのことで、ウイング車の中でも路面とタイヤの間に設置している衝撃を吸収することができるエアサスペンション付きの車両が主流になってきています。
サスペンション構造に空気バネを搭載しているため、微細な振動を吸収しながら運送することができるため、積載物を安定した状態で運搬することができます。エアサスペンションによって、移動時の振動を減らせるため、半導体や精密機器などの輸送には、ほぼ100%エアサスペンション付きの車両が使用されており、大切な荷物やデリケートな荷物の運送に安心なトラックです。
また、荷降ろしの際も、エアサスで車高を低くすることができるため、破損リスクが軽減されます。
一般的なトラックは走行中に大きな衝撃があった場合、それを吸収することができませんので、大切な荷物を破損してしまうリスクが高まります。
エアサス車は大切な荷物を運ぶのに適していると言えるでしょう。
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■ウイング車の荷物の積み降ろしや運転の際の注意点
近年、インターネットショッピングなどの拡大により、宅配業者の需要が高まっています。
ウイング車は、荷物の積み下ろしの作業効率向上と、荷物の保護などの課題を解決したトラックです。
性能のよさや用途の多様性から、素晴らしい可能性を備えたウイング車ですが、荷物の積み下ろしや運転の際には、ウイング車ならではの注意点があります。
まず気を付けることは、ウイングを開いたままトラックを発進させると、接触事故が発生してしまうことです。しかし、最近では、ウイングを開いた状態でエンジンがかからない安全装置を装備したトラックが増え、そのような事故は減ってきています。
次に、ウイングの誤作動により、荷物の積み下ろしを行う作業員がウイングとボディの間に挟まれてしまう事故が発生することです。
いくら高性能とはいえ、それを操作するのは人ですので、誤作動による事故は起こってしまいます。
そのため事故の発生を前提にして、事故防止対策をたてることが必要です。
例えば、開閉ボタンに手足が勝手に触れるのを防止するために、ボタンにカバーを付けること。
そして万が一、ウイングが誤作動により、勝手に動き出してしまった場合、ウイングを緊急停止するための非常停止ボタンを設置することなどです。
ウイング車は、その高性能ゆえに、荷物の積み下ろしの際に誤作動などで、思わぬ事故を引き起こしてしまう可能性もあります。
事故を防ぐためにも、安全装置や非常停止ボタンなどを設置し、事前に十分な対策をとる必要があります。
価格の高いウイング車も中古では手頃な価格のものもあります。一度、中古トラックを扱うステアリンクに足を運んでみてください。
エアサスをトラックに取り入れるメリット・デメリットについて詳しくはこちらへ▶
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