輪止めは車留めや車輪止め、輪留めとも呼ばれるトラックのタイヤを停止するための装置。
今回は輪止めの用途や場所、種類や素材、安全効果などを解説します。
目次
トラックの輪止め(車止め)用途は?
輪止めは車両の安全に関わる重要なパーツです。
トラックがバックを行う場合は後方が見えにくくなっています。
バックする時に加速してしまっても、停止を行えるようにするために輪止めが使われています。
輪止めは五角形に作られていることが多く、この五角形の形状によってタイヤの負担が減らせます。
輪止めは車両本体よりも低い場所に置くので接触する心配もなく、輪止め自体で車体を止めた場合はタイヤからはみ出した車体部分(オーバーハング)のみはみ出るよう設計されています。
止めを使う場合はオーバーハング部分も配慮して、障害物や私有地に入らないか注意して使うことだけではなく、トラックの寸法を覚えておきましょう。
輪止めの役割や安全効果は?
輪止めを使っている業者は安全管理や物流の品質が高い傾向です。
輪止めの使用は物流会社にとって基礎であり、日々欠かさず使用しています。
これは運送会社だけではなく、取引を行う荷主側にも同じことが言えます。
荷主側が輪止めを使用しないと出入り禁止やペナルティなどを課す場合があるので、徹底して使用しないといけません。
さらに、業者ごとに輪止めの使い方も異なります。
輪止めの使い方は車両後輪の前後にロープで結んだストッパーをはさみ、輪止めを外す際に後方の安全確認を行っています。
これとは別に前車輪の右側前後に輪止めを使うパターンもあり、運転席から離れたらすぐにロックできるという利点も。
ロープを外し忘れないために、ドアノブやバックミラーなどに引っ掛けることも必要です。
ドライバーが輪止めを日常的に使うことは、目の届かないところでも管理者のルールを守っている、とも言えます。
輪止めを使用することで業者自体の管理体制がしっかりしていることもアピールできるのです。
■駐車場での事故予防に効果的!
輪止めを使うことで駐車場での事故を防げる効果もあります。
坂道
輪止めを駐車時で使う場合は方法がそれぞれ異なっていて、坂道で使う場合は以下の手順です。
坂道での輪止めの使い方
1.ギアを入れる
2.サイドブレーキを引く
3.輪止めを使用する
パース
物流センターにあるバースに停める際は、以下のような方法です。
バースに停める際は前輪に2つ重ねて、輪止めを置いて前進を防いだほうが良いでしょう。
バースでの輪止めの使い方
1.サイドブレーキを引く
2.輪止めを置く
輪止めを外し忘れても、エンジンを掛ければそのまま動き出せます。
輪止め自体は無人状態のトラックが動かないように固定する目的で作られているので、頼りすぎないようにしましょう。
■会社の信頼性向上にも効果的!!
輪止めを使うことで会社の信頼性も増します。
企業によっては車両助手席側に輪止めを行ない、運転席側から反対方向を安全確認させる場合も。
殆どの大型トラックはホイールパークブレーキという圧縮空気を使ったブレーキを採用。
ホイールパークブレーキは付属のスイッチでレバーが引かれるので、動いてしまうことがほとんどありません。大型トラックでそれまで使われていたワイヤー式サイドブレーキは引く力が弱いと動いてしまうので、近年は採用されていません。
ホイールパークブレーキは大型トラックは4輪全てに作動しますが、圧縮空気がなくなっていると効きが弱いです。
センターパークブレーキは20トン超の大型トラックでもブレーキ1つで停まるので、車体を固定するために輪止めを使うことが多くなっています。
センターパークブレーキは2トンから6トントラックを中心に採用され、使用を続けるとワイヤーが弱っていくという弱点も。
急な坂道などではブレーキだけに頼らず、輪止めでタイヤを固定した上でハンドルも歩道側に切っておいたほうがより信頼性が増します。
■全日本トラック協会も推奨している
企業以外にも全日本トラック協会や交通安全協会も、安全上の理由から輪止めの利用を推奨しています。
輪止めの利用推奨
1.全日本トラック協会
2.交通安全協会
現在では輪止めの使用は法律上義務ではないため、トラック駐車時に必ず使わないといけない訳ではありません。
長時間駐車している間にトラックが勝手に動いてしまって、事故が起こってしまったら大問題です。
このため「安全第一」をモットーとするトラックドライバーは、輪止めを使って安全対策を行っているのです。
■特に大型トラックでは必需品
輪止めは車両の特徴上大型トラックが特に必要です。
小型トラックはギアをパーキングにしてサイドブレーキを引けば、車両は停められます。
大型トラックはエアブレーキを使用しているため、長時間使用していると効きが悪くなってしまいます。
こうした理由もあるため、長時間の駐車が必要な引越し業者や宅配業者は、事故を未然に防ぐためにも輪止めの利用を義務付けている場合が多いのです。
輪止め用品の種類と素材
輪止めの種類や素材はコンクリートやゴム、木や鉄が挙げられます。
コンクリート製の輪止めは車両サイズに合わせて製作されていて、モノによってはサイズがズレたり上に乗り上げてしまうことも多くあります。
コンクリート製は不要になったブロックや縁石などからリサイクルされていることも多く、他の素材も環境にやさしいリサイクル素材を活用している場合も。
ゴム製の商品は素材の特性として耐久性が高いので、他の素材に比べて長く使えます。
さらに形状では携帯に便利な三角形のタイプや、パンクの際などに便利な折りたたみタイプなども活用されています。
■輪止め・車止め・タイヤ止め用品をチェック
輪止めの素材を細かく分類すると、以下の8種類に分類できます。
1.輪止めの素材
2.コンクリート製
3.廃棄樹脂プラスチック製
4.ゴム製
5.ポリウレタン製
6.木製
7.プラスチック製
8.鉄製
8.アルミ製
これらの輪止めは路上での駐車をはじめ、倉庫や工場、建設や工事現場などさまざまな場所で活用されています。
さらに、素材の違いによって使用場所も異なるので、場面に応じて使い分けても良いでしょう。
雪が多い地域などでは鉄製の輪止めを使うと滑ってしまうので、他の素材を用いるべきです。
■タイヤストッパー
タイヤストッパーとは輪止めの別称で同様の用途で使用されています。
タイヤストッパーをトラックなどのタイヤに挟めば車両が固定できるので、メンテナンス時などに車両を動かさないようにするのに効果的です。
大型車両に使われるタイヤストッパーは足場が不安定な事が多い建設現場や工事現場など、事故を防ぐためにも必要なアイテムです。
大型車の場合は同時に複数のストッパーを使えばより効果的で、安全対策に欠かせません。
素材は主にゴム製のものが多く使われています。
■車輪止め
車輪止めもタイヤストッパーと同様に輪止めの別称を指しています。
使い方は駐車時に前輪に装着することで、車両が固定させられます。
トラックには大体積んであり装着も簡単にできます。
車輪止めの中でも暗い場所での視認性が高く、色鮮やかなオレンジ色のモノが人気です。
■カーストップ
カーストップはカーストッパーとも呼ばれていて、トラックの荷役設備やターミナル、工場や建物などに設置されている車輪止めの一種。
上記以外では公園内の砂場や幼稚園の縁など、安全対策として設置されていることもあります。
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■素材の種類から輪止め用品を選ぶ
トラックやバスなどの大型車は輪止めを2種類備えている場合が多いです。
輪止めの種類としては安価である木製やゴム製のものが多く、タイヤに合わせた太いタイプが選ばれ、色は目立つ黄色やオレンジが採用されています。
さらに、整備などに使用する輪止めとして折りたたみができる鉄製のモノも用意されていて、タイヤチェーンを付ける際やパンクを直すときにも使われます。
便利な輪止めは以下のような素材が用意されています。
■ゴム製
輪止めの中でもゴムで出来たタイプは安価で人気もあり、1ペアで1千円から2千円程度で購入できます。
ゴム製の利点としては滑りやすい積雪時などにも使用できて、安全性を高めてくれることです。
数年使用しても劣化が少なく、耐久性が高い素材として知られています。
使い勝手の良さから特に人気のある素材として位置づけられています。
■木製
ゴム以外の代表的な素材では木製です。
木製タイプは赤色などに塗られる事が多く、2つのセットをヒモで結び合わせて使用します。
積雪時に使用する場合はシフトレバーをパーキングにして、サイドブレーキを使わずハンドルを路肩側に切った状態で設置すれば安全です。
素材の違いで滑りやすさが異なりますので、他の素材と使い分けましょう。
■鉄製
鉄製の輪止めは積雪時に使用すると滑るので、それ以外の場所で使いましょう。
コンパクトに折りたためるタイプも多く価格も安いので、1個は積んでいても良いでしょう。
使用時は本体にロープを通してドアミラーなどに掛ければ、取り外し忘れなどが防げます。
■廃棄樹脂プラスチック(ハイプラ)
輪止めの中でも特に安価な素材として、ハイプラと呼ばれる廃棄樹脂プラスチックから作られているものがあります。
ハイプラは価格の安さと耐久性も高く、形も豊富に揃えられているので人気が高くなっています。
駐車する際はタイヤを確実に固定するので機能性も高くなっています。
■ポリウレタン
ポリウレタン製もハイプラと同様に安価な価格で、頑丈な素材であるため人気です。
購入も簡単にできるので、使い勝手が良い素材として支持を集めています。
サイズも普通車から大型トラックまであり、愛車に合ったタイプを見つけられます。
■プラスチック
プラスチック製は機能性や安全性に長けていて、軽量かつ割れる心配もありません。
工場内や私有地などで駐車する際に使われています。
プラスチック製はカラーバリエーションも多く、数個持っておいても良いかも知れません。
また、汚れた場合にすぐ洗えば綺麗に保てることも特徴です。
■アルミ製
アルミ製はコンパクトに折りたためるタイプが多くなっています。
アルミ製は坂道で駐車する際やジャッキアップ時に役立ちます。
さらに、建設・土木現場などで車両を固定する際にも活躍しているのもアルミ製の輪止めです。
大型トラックを停める際は自然移動を防ぐためにも輪止めが必要です。
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