トラック・運送・トラックドライバー情報

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大型トレーラーの運転に必要な免許や事故事例、トレーラーを安全に運転するコツも紹介

更新日:2023/10/12

「大型トレーラーを運転したい」「大型トレーラーに必要な免許は何?」

こんな悩みを持っている人もいると思います。取得できる運転免許の種類は多く、免許取得によって運転できる車は違います。

そこで今回は、大型トレーラーの運転に必要な免許や大型トラックの違い、大型トレーラーの事故事例や安全運転のコツを解説します。

 

トレーラーは貨物車部分を指している

トレーラーとは、荷物を積む貨物車部分。

トレーラーを牽引する車はトラクタやヘッドと呼ばれます。一般的にトレーラーといえばトレーラーとトラクタがセットになった運搬車を指しています。

運搬車はトラックのイメージがありますが、トラックと同じくらい生活の物流を担う車がトレーラーです。トレーラーはサイズによって中型や大型などに分類されていて、サイズにより必要な免許も違ってきます。

 

今から取得できる大型トレーラーの運転免許

運転免許は以下の3区分に分けられています。

・運転するための免許:第一種運転免許
・バスやタクシーなど旅客業などに必要な免許:第二種運転免許
・第一種免許を取得する際に練習で公道を走行するために必要な免許:仮運転免許

一般的に必要な免許が第一種免許で、業種で必要なのが第二種免許です。第一種免許の種類は自動車の他に、特殊自動車や自動二輪車などを運転するための免許があります。

以下の表は免許の種類と運転できる車種の一覧です。

運転ができる車種
免許の種類 大型自動車 中型自動車 準中型自動車 普通自動車 牽引自動車
普通免許
AT限定含む)
       
準中型免許      
中型免許    
大型免許  

牽引免許(小型トレーラー限定含む

       

大型トレーラーを運転するには牽引(けん引)免許が必要です。牽引免許取得にはいくつかの条件があります。もともと牽引免許は付随的な免許であり、普通・準中型・中型・大型などの免許取得が必要です。

さらには、運転に支障が出る障害がないことや18歳以上などの条件があります。入社前に普通免許を取得していれば、すぐにでも牽引免許が取得できます。

ただし、大型トレーラーなど車の大きさによっては大型免許がなければ取得できません。

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大型トレーラーと大型トラックのサイズの違い

トレーラーにはフルトレーラーとセミトレーラーがあります。

セミトレーラーは日本でもっとも使用されている牽引車で、トラクターと呼ばれるエンジン部分にトレーラーを連結しないと荷物の運搬ができません。フルトレーラーは重量をトレーラー自体で支えられます。そのため、トラクター単体でも運搬できます。

大型トレーラーは大型トラックの1つのイメージがあります。しかし、大型トレーラーが牽引車に対して大型トラックは貨物自動車で、車両の仕組みそのものが違います。

それでは、大型トレーラーと大型トラックのサイズや寸法を比較していきます。

  大型トラック セミトレーラー フルトレーラー
全長 12m 16.5m(連結時) 18m(連結時)
トラクター長 12m(5~6m) 12m
トレーラー長 12m 12m
全幅 2.5m 2.5m 2.5m
全高 3.8m 3.8m 3.8m

全幅や全高は同じですが、全長は大型トレーラーのほうが4.5メートル〜6メートルほど大型トラックに比べると長いのです。大型免許を取得して仕事に活かしている人でも、大型トレーラーを運転するためには牽引免許取得だけでなく、洗練された運転技術や知識を身につけることも欠かせません。

 

大型トレーラーが関係した事故事例

大型トレーラーは長いもので18メートルもあります。

それゆえに左折をする際に目視での安全確認が難しく、何箇所にも取り付けられたミラーを頼りに歩行者や自転車などに細心の注意を払う必要があります。しかしながら、さまざまな場所で大型トレーラー関連の事故が絶えず報道されています。

以下に最近発生した大型トレーラーの事故について挙げていきます。

・2021.12.10(愛知県)

国道41号線で大型トレーラーが軽乗用車に追突。24台が絡む玉突き事故となり、この事故で12人が怪我をして1人が重傷。

・2021.12.16(徳島県)

午前7時半頃、信号のある交差点で、近所に住む小学生の女子が横断歩道を渡ろうとした際、左折してきた大型トレーラーにはねられました。女子は頭を強く打っていて、現場で死亡が確認されました。

・2021.12.17(岡山県)

倉敷市福田町浦田の市道で、オートバイと脇道から市道に合流しようとした大型トレーラーが衝突。オートバイを運転していた倉敷市新田の会社員の男性が死亡しました。

このような痛ましい事故が全国各地で起こっています。大型トレーラーの大きさや運転技術の未熟さ、注意力の低下などが大きな事故につながるのです。

 

大型トレーラーでの事故防止は特有の現象を把握することが大切

大型トレーラーは特殊車両なので、大型トラックにはない現象が起こります。

これらの現象を防止することで、事故が未然に防げます。

ジャックナイフ現象

ジャックナイフ現象とは、トラクター部分とトレーラー部分がくの字に曲がってしまう現象。凍結した道路や過重積載が原因で起こります。

トレーラースイング現象

トレーラースイング現象は、トレーラーのブレーキにロックがかかることで、ゴルフのスイングのようにトレーラーが左右に振られてしまう状態をいいます。悪路や悪天候での走行で起こりやすい現象です。

ジャックナイフ現象

トレーラースイング現象は、トレーラーのブレーキにロックがかかる減少。ゴルフスイングのようにトレーラーが左右に振られてしまう状態で、悪路や悪天候での走行で起こりやすい傾向です。

プラウアウト現象

プラウドアウト現象とは、トレーラーが制御不能となる危険な現象。

大型トレーラーは急ブレーキを踏むと、トラクターヘッドのブレーキがロックされます。これにより、ハンドル操作が制御不能に陥るのです。

 

大型トレーラーを安全に運転するコツ

トレーラーは大型トラックのような積み降ろし作業がなく、運転技術を活かして働けることから大型トレーラー運転手に転向するトラックドライバーも多くいます。

ここからはは、大型トレーラーを運転するコツについて解説します。

直進走行時はトレーラー寸法を把握しておく

接触事故の少ない直進走行ですが、大型トレーラーは連結部分の幅や高さ、長さに気を遣う必要があります。

長時間運転では連結部分の寸法を忘れてしまい、交差点や踏切で立ち往生することも。大きな事故を起こさないために、大型トレーラーの寸法をしっかり把握して直進走行をしましょう。

左折時は目視とサイドミラーのダブルチェック

左折での巻き込み事故も防ぐべき事故です。

日本は右ハンドルの車が主流で、大型トレーラーのハンドルも右ハンドルで運転手は右側から左方確認を行います。車高が高く車幅も広い大型トレーラーは左方確認を目視でするには限界があり、サイドミラーが頼り。ちなみに、サイドミラーは3ヶ所に取り付けられています。

左折する際は目視とサイドミラーのダブルチェックをして、前方に深く進入してから旋回することが安全な左折のコツです。

右折時は目視での確認を丁寧におこなう

右折時は左折時に比べると目視での確認ができるので、過信した判断をしやすくなります。

特に交差点やカーブでの右折時には、前方の車の流れを把握して対向車の進路妨害をしないように右折をします。また、状況に応じての大回りも必要です。ちなみに、大型トレーラーはブレーキを強く踏むとトラクターの前輪にロックがかかるようになっています。

後退(バック)時はトレーラーの前輪を操作する

運転で最も難しいのが後退をするときです。

特に大型トレーラーの場合はハンドル操作をしても連結部が折れ曲がり、まっすぐ後退できない場合もあります。トレーラーを軸と考えてトレーラーの前輪を操作すれば、スムーズに後退できます。

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