トラックは普通自動車と違い、後方に荷台があります。 荷台にはいくつかの種類があり、積載量や寸法も様々で目的にあったサイズのものを購入することで積めるものが変わります。
この記事では、トラックの荷台の種類や積載量と寸法、シートの選び方やかけ方を解説します。 荷台に人を載せると違反なのか、などのルールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
トラックの荷台の種類
トラックの荷台にはいくつかの種類がありますが、ここでは代表的なものを紹介します。
- 平ボディ
- バンボディ
- 幌車(ほろしゃ)
- 冷凍・冷蔵車
上記の荷台部分の架装が違うだけで、トラック自体の呼び方が変わります。
平ボディ
平ボディはオープンな構造で屋根がなく、フラットな構造をした荷台です。 側面は「あおり」で囲まれていて、後方と左右が全て開きフラットになります。 屋根がない構造上、貨物の積み下ろしが容易であるとともに、荷台部分には架装パーツを付けることができます。
バンボディ
バンボディは一般的に「バン」と呼ばれるもので、箱型の荷室を荷台にしているトラックです。 平ボディとの大きな違いは荷台からはみ出すことなく、荷物を運搬できる点です。 荷室はアルミ製のものが多く、風雨や日光から荷物を保護できる点や、積荷が落下するリスクが低い点がメリットです。 荷物の積み下ろしはリアドアから行うので、スペースのない路肩での作業に向いており、引っ越しや配送に適した汎用性のあるトラックです。
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幌車(ほろしゃ)
幌車とは、平ボディの荷台に「幌骨」と呼ばれる枠組みに帆布をかぶせてあるトラックのことを言います。 幌骨は金属製で帆布は綿ポリエステル等で出来ており、シートをかけるタイプやワンタッチで装着できるもの等、いくつかのバリエーションがあります。
荷台が帆布で覆われているので風雨や日光から荷物を守ることができ、バンの荷室よりも軽く燃料費や導入コストを節約できる点もメリットです。 バンに比べて完全に風雨を防げるわけではないため、精密機器の運搬には向いていないとされています。
冷凍・冷蔵車
冷凍・冷蔵車は、バンと同じような金属製の箱型コンテナに冷凍・冷蔵装置を備えています。 簡単にいうと、荷台が冷凍庫や冷蔵庫の役割を持ったトラックで、冷凍食品や生鮮食品を運ぶのに利用されます。 冷やす仕組みは普通自動車のクーラーと同じ構造ですが、マイナス25℃程度までの冷却効果があります。
トラックの種類別の荷台積載量と寸法
次にトラックの種類別の荷台積載量と寸法を見ていきましょう。 トラックの荷台は種類が異なるだけでなく、寸法もメーカーなどによって異なります。 トラックを購入する際には荷台の種類だけでなく、積載量や寸法をしっかりとチェックしましょう。
トラックの荷台積載量
トラックのボディは小型・中型・大型の3種類に分かれています。
トラックの種類 | 積載量 |
---|---|
小型トラック | 2t以下 |
中型トラック | 4tクラス |
大型トラック | 10tクラス |
小型トラックの積載量は一般的に2t以下、中型トラックは4tクラス、大型は10tクラスです。 注意点として、例えば積載量の区分が2tトラックであっても、最大積載量が2tとは限りません。 トラックを購入するときには、そのトラックの「実際の積載量」を必ずチェックしましょう。
トラックの荷台を含めたサイズ
トラックの荷台を含めたサイズと車幅を見ていきましょう。
トラックの種類 | 全長 | 車幅 |
---|---|---|
小型トラック | 4.7m以内 | 1.7m以内 |
中型トラック | 12m以内 | 2.5m以内 |
大型トラック | 12m以内 | 2.5m以内 |
車幅に関しては、道路交通法によってトラックの車幅を超えた積載物は乗せられないため、積載できる最大幅は車幅と同じになります。
トラックの荷台シート(カバー)の選び方とかけ方
トラックの荷台シートとは、荷台にかけるカバーのことで、ゴムバンド等でしっかりと固定し、荷物の落下を防ぐことができます。 トラックの荷台シートを選ぶポイントはサイズと素材です。
サイズで選ぶ
トラックシートには適合車種の記載がある場合があります。 トラックシートのサイズには1号〜6号があり、適合したシートサイズを選びましょう。
シートサイズ | トラックサイズ |
---|---|
1号 | 軽トラック/平張用 |
2号 | 軽トラック/高積用 |
3号 | 小型トラック/平張用 |
4号 | 小型トラック/高積用 |
5号 | 大型トラック/平張用 |
6号 | 大型トラック/高積用 |
上記の規格以外にも細かくサイズを選ぶことができ、オーダーメイドでシートを作成してもらうことも出来ます。 また、メーカーや車種によってもサイズが異なります。 荷台サイズに積荷の高さをプラスした数字がシートサイズになるため、事前に測っておくとサイズで失敗することはありません。
シートの素材で選ぶ
荷台シートにはいくつかの素材があり、それぞれに特徴があります。 用途に合わせて素材の種類や色を選びましょう。
- エステル帆布:耐摩耗性や防水性能が高く長期使用に向いている
- 綿帆布:天然繊維で作られており、風通しや撥水性が高い
- ターボリン:丈夫で耐久性があり痛みにくいがごわつきがある
- PE(ポリエチレン):原価が安く軽量で耐衝撃性が高いが、耐摩耗性が低い
- メッシュ:軽量で通気性が良い
耐年数が最も長いのは帆布で約5年、最も短いのがPEで約3〜6カ月です。
トラックの荷台シート(カバー)のかけ方
荷台シートは付属のゴムバンドや紐、ハトメを使ってかけます。 購入するシートにハトメがあるか、ゴムバンドがシートの穴の数と同じだけ付属しているか事前に確認しておきましょう。
付属のゴムバンドや紐を使ってシートをかける
付属のゴムバンドを使う場合は以下の手順です。
- ゴム穴にゴムバンドを取り付ける
- ゴムバンドが外れないよう結ぶ
- ゴムバンドを荷台のフックにかける
ハトメにロープを結ぶ場合にはエイトノット(「8」の字をかいた結び方)にすると、強度が非常に高く、解きやすいのでおすすめです。
トラックの荷台に人を載せると違反?
トラックの荷台に人を載せることはできるのでしょうか? 昔の田舎町では、荷台に人を載せたトラックが走るという光景は珍しくありませんでした。 ですが、原則トラックの荷台に人を載せるのは違法行為です。 道路交通法第55条では以下のように定められています。
「車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。」 乗車のために設備された場所である、座席以外に人を乗車させてはいけません。
ただし、第55条の但し書きでは「当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる」、道路交通法第56条「車両の運転者は、当該車両の出発地を管轄する警察署長(以下第五十八条までにおいて「出発地警察署長」という。)が当該車両の構造又は道路若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載の場所を指定して許可をしたときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該車両の乗車又は積載のために設備された場所以外の場所で指定された場所に積載して車両を運転することができる。」とあるため、 以下の場合はトラックの荷台に人を載せても良いことになります。
- 貨物を看守する
- 許可をとった場合
許可をとった場合でも、荷台に人を載せる場合は危険が伴うため十分注意しましょう。
トラックの荷台のはみ出しについてのルール
最後にトラックの荷台のはみ出しのルールについて解説します。 トラックの荷台に積む荷物は載せられるだけ載せていいわけではなく、道路交通法施行令第22条で「自動車の乗車又は積載の制限」が定められています。
長さ | 車両の長さの10分の2※ を超えない |
---|---|
幅 | 車両の幅を超えない |
高さ | 地面から3.8〜4.3m以内 |
重さ | 最大350kg |
※2022年1月公布、5月13日施行で10分の1から改正 例えば長さが3mのトラックの場合、はみ出して良い長さは60cmになります。 幅に関しては車両幅を超えてはいけません。 高さは一般公道では3.8m、高さ指定道路では4.1m、所定手続きを行った場合は4.3mと条件によって分かれています。
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トラックの荷台の種類や積載量と寸法、シートの選び方やかけ方を解説しました。 トラックの荷台には大きく分けて4つの種類があり、積載量や寸法もメーカーによって異なります。 かけるシートを選ぶ際には、サイズと素材を適切に選ぶことが大切です。 ステアリンクでは多種多様な荷台の中古トラックを取り扱っています。
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