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タンクローリーとは?容量や種類・運転に必要な資格/免許、価格を解説

更新日:2023/06/01
タンクローリーの画像

タンクローリーとは「大型車両」に分類される車で、大容量の液体を安全に運ぶことができます。

普通のトラックでは運ぶことが困難なガソリンや灯油等の石油類、化学薬品、食品、水などの荷物を運搬することが可能です。

この記事では、タンクローリーの特徴や種類、運転に必要な免許や資格を解説します。

 

タンクローリーとは?

タンクローリーとは液体を運ぶ専用のトラックで、トラックの荷台部分に大きなタンクがあります。

タンクはいくつかの部屋に分かれていて、様々な種類の液体が混ざることなく運搬できます。

運搬するものは水やセメント・ガソリンといった液体物や、高圧な気体等です。

液体や気体をトラックで運ぶのはとても困難であるため、専用車としてタンクローリーが生まれました。

タンク部分は楕円形になっており、重心を下に置くことでバランスが取りやすい構造となっています。その形状から事故や転倒のリスクを抑えてくれます。

ちなみに、「ローリー(Lorry)」とはイギリス英語でトラックという意味であり、「トラック(Truck)」はアメリカ英語です。

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荷おろし

ガソリンスタンドでのタンクローリーの荷おろしの方法はとてもシンプルです。

ガソリンスタンドの地下タンクの注入口と、タンクローリの吐出口をホースで繋いで灯油や軽油などを決められたタンクに入れます。

緊急停止レバー

荷おろし中に緊急事態が発生した場合には緊急停止レバーを引くことで、全室のタンク底弁を一度に閉鎖することができます。

車両火災の時にはヒューズが切れて、自動的に底弁が閉まる安全設計です。

混載看板

タンクローリーには混載看板があります。

混載看板は内容物を積み分けるときに、各室に何が積んであるかを明確に表示する看板です。下記は内容物の例です。

  • ガソリン
  • 灯油
  • 軽油
  • 重油

タンクローリーの構造は法律で定められている

タンクの最大積載量は消防法で定められており、30,000リットル(30トン)以下と決められています。

消防法で危険物と定められている石油類などを運ぶタンクローリーでは、1室最大4,000リットルの複数の部屋に分かれており、運転時や作業時のリスクを軽減しています。

それぞれの部屋には別の液体を入れて運ぶことができるため、数種類の液体を運んだり、同じ液体を一気に運ぶことも可能です。

 

タンクローリーの種類

タンクローリーの種類は大きく分けて以下の3つがあります。

  • 危険物タンクローリー
  • 非危険物タンクローリー
  • 高圧ガスローリー

危険物タンクローリー

危険物タンクローリーは石油や劇薬類を運ぶのに使用されます。

タンクの材質は基本的に耐久性が高く、 危険物タンクローリーでは化学変化が起きにくい普通鋼や強度を上げた高張力鋼材になっています。

非危険物タンクローリー

非危険物タンクローリーはセメントや食品・飲料水等を運搬するのに使用します。

非危険物タンクローリーの素材は腐食や傷に強いステンレスです。

高圧ガスローリー

高圧ガスローリーは高圧ガスを運ぶのに使用されます。

高圧ガスローリーの素材は圧力に強い高張力鋼材が使われることが多いです。

 

タンクローリーの運転に必要な資格

免許

タンクローリーは普通免許だけでは運転することができません。

タンクローリーの運転はベースとなる車両の、車両区分にあった運転資格を満たす免許区分が求められます。

タンクローリーは大型車両であることが多いため、運転には大型自動車免許が必要です。(タンクローリーのサイズに合った運転免許が必要)

さらにタンクローリーでは運転免許以外に、運搬するものに対応した資格や免許が必要になります。

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タンクローリーの種類別の資格・免許

タンクローリーには「危険物タンクローリー」「非危険物タンクローリー」「高圧ガスローリー」の3種類があることは前述した通りです。

3種類のタンクローリーを運転するためには、種類別に必要な資格や免許が違います。

 

タンクローリーの種類

積載物

必要な資格・免許

危険物タンクローリー

・石油類

・酸化性固体

・劇薬類 等

・「危険物取扱者」が乗務するとともに、「危険物取扱免状」を携帯する必要あり

・硝酸や過酸化水素水などの毒物を運搬する場合は「毒物劇物取扱責任者」の資格が必要

非危険物タンクローリー

・セメント

・食品

・飲料  等

・非危険物タンクローリーに限った必要資格や運転条件は特になし

高圧ガスローリー

・可燃性ガス 等

・高圧ガス移動監視者講習の修了し取得する「高圧ガス移動監視者」の資格者が同乗する必要あり

・高圧ガス移動監視者講習修了証を携帯する必要あり

危険物タンクローリーでは石油や酸化性個体を扱うため、危険物取扱者の資格である「危険物取扱者」が乗務するとともに、「危険物取扱免状」を携帯する必要があります。

運転手が危険物取扱者免状を所持している場合には、運転手1人で乗務することが可能です。

 

危険物取扱者の資格には甲種、乙種、丙種の3種類があり権限がそれぞれ異なります。

 

資格の種別

取り扱える危険物

立ち会える危険物

甲種

全ての危険物

乙種

第1類から第6類の中で取得した類の危険物

取得した類の危険物

丙種

第4類の中で取得した危険物

(ガソリン・軽油・灯油・重油等)

丙種では立ち合い不可

セメントや食品を運搬する非危険物タンクローリーを運転する場合には、特別な資格や運転条件はありません。

 

高圧ガスローリーでは、高圧ガス移動監視者講習の修了を証明する「高圧ガス移動監視者」が同乗し、移動を監視する際には高圧ガス移動監視者講習修了証を携帯する必要があります。

移動監視者が必要となる高圧ガスの種類と数量は以下です。

ガスの種類

移動監視者が必要となるガスの種類と数量

圧縮ガス

・容積300m3以上の可燃性ガス、酸素

・容積100m3以上の毒性ガス

液化ガス

・質量3,000kg以上の可燃性ガス、LPガス、酸素

・質量1,000kg以上の毒性ガス

・圧縮水素スタンドの液化水素の貯槽に充てんする液化水素

特殊高圧ガス

移動する数量の多少に関係なく必要

ちなみに、特殊高圧ガスとは、下記の7種類のガスのことをいいます。

  • モノシラン
  • ジシラン
  • アルシン
  • ホスフィン
  • ジボラン
  • モノゲルマン
  • セレン化水素

    

取り扱う積載物によって必要な資格が変わるため、複数の荷物を取り扱うには複数の資格や免許を取得しておきましょう。

複数のタンクローリーを運転できる資格を取得していると、運転手としての価値は大きく上がります。

トレーラータイプでは牽引免許が必要

タンクローリーにはトレーラータイプがあり、その場合には牽引免許が必要になります。

トレーラータイプとは、運転席と荷台が取り外し可能なタンクローリーです。

タンクローリーを運転する場合の牽引免許は、大型自動車の牽引免許を取得しておきましょう。

 

タンクローリーの中古車価格

タンクローリーは新車だけでなく、中古車でも購入することができます。

タンクローリーの中古車価格は「年式・タンク容量・室数・タンク素材・オプション」によって大きく変わりますが、一般的なタンクローリーの中古車価格は150万円〜800万円程度です。

 

以下はタンクローリーの中古車価格の一例になります。

  • いすゞ エルフ 年式 2002年式(4WD MK2.5K1室 タンクローリー)::251.9万円
  • いすゞ フォワード 2011年式(4tダンプ コボレーン 積載3.7t ):298万円
  • いすゞ フォワード 2015年式(4tダンプ 電動コボレーン 積載3.75t):348万円
  • いすゞ ギガ 2015年式(10tダンプ 電動コボレーン 積載9.4t):758万円

 

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タンクローリーの特徴や種類・運転に必要な免許や価格を解説しました。

タンクローリーは大型・中型・トレーラータイプなど複数の種類が存在しています。さらに危険物、非危険物、高圧ガスなど、運ぶものによっても必要な資格や免許が異なる点は注意しましょう。

タンクローリーに限ったことではありませんが、トラックを購入する際には中古トラックがおすすめです。中古トラックは価格が安いだけでなく、新車よりも納車までがスムーズです。

 

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