EV(Electric Vehicle)は電気自動車のことで、電動モーターを原動機とする貨物車両のことを言います。 EVトラックは電動システムをトラックに搭載しており、近年注目を集めています。
この記事では、EVトラックのメーカーや車種、価格や国内外の普及率を解説します。
目次
EVトラックとは?
EVは電気自動車のことで、国際問題である排出ガスに対する規制を軸に開発が進みました。 乗用車では一般的になりつつあるEVですが、そのトラック版が「EVトラック」です。 CO2排出防止だけでなく、夜間や早朝の走行における騒音削減が期待できます。
世界初の量産電気小型トラック
EVの歴史は、諸説ありますが1828年にハンガリーのイェドリク・アーニョシュが発明した「電気モーター」が始まりと言われています。 ガソリンエンジン車が発明されたのが1886年のため、EVの方が歴史は古いことになります。 しかし、一般的に普及したのはガソリンエンジン車でした。 近年では世界的にEV車の普及が進んでいますが、EVトラックはまだまだ始まったばかりです。
三菱ふそうトラック・バス株式会社は2017年に電気小型トラック「eCanter」を世界市場へ向けて発表しました。 「eCanter」は、世界で初めて量産された電気トラックで、都市が抱える騒音や排出ガスの課題を解決するために生まれました。
EVトラックを発売しているメーカー
EVトラックを生産しているメーカーを見ていきましょう。
- 三菱ふそう
- ボルボ
- HW ELECTRO
- 中国メーカー
先述の通り、国内メーカーでは三菱ふそうが2017年に国内初の量産型電気小型トラック「eCanter」を発売しました。 ボルボは2020年に米市場向けに開発した大型EVトラック「VNRエレクトリック」を現地で発売しています。 国内スタートアップ企業であるHW ELECTROは、小型商用電気自動車「ELEMO(エレモ)」を2021年7月に発売しました。
EVトラックは中国メーカーも発売しており、2022年から中国製EVトラックが大規模導入されると報道され話題になりました。
EVトラックを発売する予定のメーカー
EVトラックはまだまだ数が少なく、今後参入を発表しているメーカーも多くあります。
二コラは2021年、EVトラック「トレ」を、南カリフォルニアのトータル・トランスポーテーション・サービス社に引き渡したと発表しました。 いすゞ自動車は2022年からEVトラックの量産車の販売を開始すると発表し、日野自動車も2022年初夏に「日野デュトロ Z(ズィー) EV」の名称で市場導入予定と伝えています。
2022年は「EVトラック元年」とも言われており、各メーカーからEVトラックが発表・投入されるでしょう。
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主要なEVトラックの車種と価格
ここからは主要なEVトラックの車種と価格を見ていきましょう。
メーカー | 車種 | 価格 | 最大積載量 | 1回の充電 |
---|---|---|---|---|
三菱ふそう | eCanter | 未確認 | 2~3t | 約100km |
HWエレクトロ | ELEMO | 235.4万円〜 | 4〜6.5t | 約120〜200km |
日本でのEVトラックでメジャーな車種は三菱ふそうの「eCanter」、HWエレクトロの「ELEMO」です。 eCanterは、最大積載量は2〜3t、急速充電では最大約1.5時間、普通充電では最大約11時間の充電で、航続距離は約100kmを確保しています。 一方のELEMOは235.4万円〜で、最大積載量は4〜6.5t、1回の充電満充電でELEMO 200は200km、ELEMO 120は120kmの走行が可能です。 EVトラックはまだ車種も少なく、今後の国内メーカー新規参入や中国製EVトラックの大規模導入が注目されています。
EVトラックの日本・海外での普及は進んでる?
EVトラックの日本・海外での普及率を見ていきましょう。
欧州自動車工業協会(ACEA)が2021年1月に発表した「Vehicles in use, Europe」によると、EUには620万台の中型・大型商用車があり、EUの全トラックの97.8%がディーゼルエンジンで走行し、トラックの0.04%がゼロエミッション車という結果になりました。 日本国内でのEVトラックの普及は、国土交通省「トラック・バスにおける低炭素化の推進」によると当面の間は9割程度をディーゼル車が占めるとしており、トラック・バスの大幅なEV導入増加が必要と報告しています。
2030年度に2013年度比26%の温室効果ガス削減を達成するためには、 自動車分野において、様々な普及施策により、EVトラック・EVバスを約52,000台販売する必要があります。 運輸部門でのCO2排出量の3割をトラック・バスが占めているため、 CO2の削減のためには先進環境対応のトラック・バスの大量普及が急務です。
EVトラックの普及率は今後に期待
世界は「ガソリン車・ディーゼル車禁止」に向かっており、CO2削減を目指したEV化が進み、普及率が更に高まっていくことは間違いありません。 EVトラックの普及における課題は「車両単価の低下」や「補助金等の措置および10年以上の耐用年度を持つ車両」です。 多様なニーズに適合するEVトラックを大量かつ安価に提供できる生産体制が整えば、普及は一気に加速します。
EV特有の満充電における走行距離が、長距離トラックの走行距離(500〜1,000キロ)に耐えられるかも大きな課題です。 2022年は「EVトラック元年」と言われ、多くの自動車メーカーがEVトラック投入を本格化させます。 今後のEVトラックの普及に期待しましょう。
まとめ
EVトラックのメーカーや車種、価格や国内外の普及率を解説しました。 EVトラックはCO2排出防止、夜間や早朝の走行での騒音削減など多くのメリットがあります。 ただし、現状は車種も少なく価格も高額であるため普及にはもう少し時間がかかりそうです。 EVトラックの本格的普及前に新車トラックではなく、価格の安い中古車トラックをひとまず導入するのも良いでしょう。
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