「2デフ(ツーデフ)」とは、主に大型トラックに採用される駆動方式の一つです。エンジン出力を駆動輪へ伝達する装置ディファレンシャル・ギアは一般的にはデフと呼ばれますが、トラックの駆動方式は、搭載されているデフの数によって分類されます。デフが1つだけ搭載されているトラックは「1デフ(ワンデフ)」、2つ搭載されている場合は「2デフ(ツーデフ)」と呼ばれます。今回の記事では主に2デフについて詳しく解説していきます。
目次
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デファレンシャルギア(デフ)とは?
デファレンシャルギアは、車両の曲がる際の車輪の速度差を吸収するための装置です。例えば、車がカーブを曲がるとき、内側の車輪と外側の車輪で回転速度が異なります。デフはこの差を調整し、スムーズな走行を可能にします。
◆ 1デフ:1つのデフが1軸(通常は後輪の1軸)を制御。
◆ 2デフ:2つのデフが2軸を制御し、両軸に駆動力を均等に配分。
2デフの構造と特長
2デフは、主に次のような仕組みと特長を持っています。
構造
後部2軸にそれぞれ設置されたデフが駆動力を配分。
◆ リアデフ(後軸用デフ):後部2軸にそれぞれ設置されたデフが駆動力を配分。
◆ センターデフ(中央デフ):前後の駆動軸間の駆動力を調整。
特長
1.駆動力の最適配分
両方の後軸にトルクを分配することで、悪路や滑りやすい状況でも車両の走行を安定させます。
2.デフロック機能
デフロックを使用することで、左右の車輪や前後軸の速度差を制限し、スリップを防止。泥道や雪道での脱出性能が向上します。
3.耐久性と牽引力の強化
大型トラックが重い荷物を積載しながら急な坂道を登る際や不整地を走行する際にも、強力な牽引力を発揮します。
2デフの用途
2デフは、以下のような場面で特に効果を発揮します。
◆ 建設現場や林業
不整地や急斜面の多い現場での作業が必要な車両。
◆ 悪天候や雪道の走行
雨や雪で滑りやすくなった道路環境でも高い走行性能を発揮。
1デフと2デフの違い
特徴 | 1デフ | 2デフ |
駆動軸数 |
1軸 |
2軸 |
オフロード性能 |
普通 |
高い |
使用シーン |
一般道路、軽積載 |
重積載、悪路、急勾配 |
メンテナンスコスト |
比較的安価 |
高め |
2デフのデメリット
◆ コスト増加
2デフシステムは構造が複雑なため、製造やメンテナンスコストが高くなります。
◆ 燃費への影響
高い駆動性能を持つ一方で、燃費性能が低下することがあります。
まとめ
2デフ車両は、通常の1デフ車両よりも駆動性能と牽引力が高く、不整地や悪条件での作業に最適です。ただし、導入コストや燃費性能とのバランスを考え、用途や環境に応じて適切な車両を選ぶことが重要です。
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