トラック・運送・トラックドライバー情報

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デコトラの車両価格や購入先、車検事情を徹底的に解説!

更新日:2024/04/25

どこにいても人目を引くデコトラは、荷物を運搬するトラックでありながら芸術作品といっても過言ではありません。

過去には全国から自慢のデコトラが集結する盛大なイベントや展示会もありましたが、デコトラの台数減少やコロナ禍などでデコトラを見る機会も少なくなりました。しかし、デコトラファンはまだまだ多く、デコトラを購入したいと考えている人も少なくありません。

今回はデコトラの購入先や車検、現在のデコトラ事情を徹底的に解説していきます。

 

コンテナ専用トラックとは

そもそもデコトラとは?

デコトラは「デコレーショントラック」の略語です。

デコレーションは「飾り」の意味で装飾されたトラックの和製英語。デコトラはキャブやボデーのペイント塗装だけでなく、マーカーランプ・アンドンなどの電飾装備、ステンレス製やクロムメッキを施された装飾部品などを用いて外装を飾ったトラックを指しています。

別名では「アートトラック」とも呼ばれていますが、世界的に見てもデコトラと紹介している地域が多いのも特徴です。

 

デコトラという名前はプラモデルから付けられた

デコトラという名前は1976年(昭和51年)プラモデルの玩具メーカー青島文化教材社(略称:アオシマ)が、トラックのプラモデルを商品化する時に作った造語「デコトラ爆走野郎」から「デコトラ」の部分を名詞化したものが由来です。

模型やおもちゃなどの分野では、アオシマがデコトラの商標を保持しています。ちなみに、アオシマはワンボックスカーにトラックと同様の装飾を施した「デコバン」というプラモデルも同時に販売しています。

 

デコトラは車体の錆止めからの進化系

デコトラの歴史はオート三輪の時代に遡ります。

水産業で使われていたオート三輪は、塩分や融雪剤の影響で車体が錆びて寿命が短いことが難点でした。そこで、錆から車体を守るため傷んだ荷箱の補修を試みました。飛行機に使用されるステンレス鋼板を使いリベット留めてボディ強化に成功しました。

この際に使用されたステンレス板「ウロコステンレス」は、独特の光沢や質感からデコトラの装飾に基本的な材料として用いられるようになりました。現在はステッカーを貼るだけで簡単にデコトラに改造できますが元々は装飾ではなく加工を施したボディがデコトラと呼ばれていました。

 

デコトラの装備

デコトラは時代とともに個性的なものからチームやグループによって、方向性を合わせたものまで作られるようになりました。

 

デコトラの外装

デコトラに使われるパーツの代表的なものがフロントバンパー。フロントバンパーは車の顔を決める重要なパーツで、デコトラには以下のような種類があります。

・舟形
・キャデラック型
・ラッセル型
・ラッセル戻し
・オバQ型
・前出しバンパー
・ダブルバンパー

この他にもフロントデッキやサイドミラー、バイザーやリアバンパーなどの外装の装飾が施されています。

 

デコトラの絵

デコトラは豪華絢爛な外装に加えて、荷台に描かれる絵ではないでしょうか。

デコトラには動物や植物、人物や歌舞伎、神仏など幻想的な絵が描かれています。さまざまな書体で書かれた名前や社名、愛称などどこから見ても目を引きます。

 

デコトラの内装

デコトラの内装といえば、シフトノブにつけられた水中花。豪華さを演出した金華山織りと呼ばれるゴージャスなデザインは、シートや天井などに施されています。また、オーディオやカーテン、シャンデリアなど車内とは思えない内装が特徴です。

デコトラは外装から絵や内装まで、トラックという垣根を超えてアートとして成立している車といえます。

 

デコトラブームから誕生した映画「トラック野郎」と雑誌「カミオン」

1970年に入ると各地でデコトラを所有した人たちでグループが結成されて、メディアから注目を集めました。

そのあとデコトラは映画「トラック野郎」で、子どもから高齢者まで幅広く認知されていきました。当初の予想を覆す大ヒット作となりシリーズ化されて、毎年お盆とお正月に放映されるまでとなりました。

その後はトラック野郎シリーズの主人公に憧れて、運輸業で仕事をする人も増加したのです。1980年代に入るとトラック野郎シリーズは終了しましたが人気は衰えず、デコトラファンは増加していきます。ブームに乗って1984年4月には日本初のデコトラ専門誌「カミオン」が創刊されました。

それまではトラックドライバーやトラック用品業者しか専門的な情報や知識はありませんでしたが、カミオンの創刊で幅広くデコトラの情報や知識が伝わりました。

 

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コンテナ専用トラックとは

デコトラは海外で活躍している?

以前は公道でもデコトラを見かけました。

豪華絢爛なトラックは周囲の目を引きましたが、最近ではほとんど見かけなくなったのには理由があります。

 

デコトラの全盛期から低迷した理由

1970年代からブームにもなったデコトラですが、1990年代に入ると高額な投資がされた派手なボディは威圧感や反社会的というイメージがつき始め、取引先から距離を置かれるようになりました。

併せて、高額な費用がかかるデコトラを禁止する企業も増えました。2000年代に入るとデコトラに逆境が吹き始めます。ディーゼル車規制でデコトラの本体となるトラックが次々と乗り換えられて、デコトラに乗る人も減少していきました。

 

海外で注目されることとなったデコトラの現在

時代の流れとともにデコトラを見かける機会は少なくなりましたが、インターネットの普及で世界へデコトラが発信されていきました。

海外では仕事道具の1つでしかないトラックは、残念ながら丁寧に扱われているとは言えません。トラックに対する価値観の違いもありますが、デコトラは日本人の車に対する愛情を感じるものとして海外から注目されています。

2021年に開催された東京パラリンピック開会式で、浮世絵の描かれたデコトラから、ギタリストの布袋寅泰さんがギターを演奏しながら登場したシーンは、世界中から称賛の声が挙がりました。デコトラは派手すぎる装飾が反社会的とまでいわれるようになりました。現在では世界から見たデコトラはアートとして、日本の文化として受け入れられているのです。

 

コンテナ専用トラックとは

車検を通過できないデコトラの特徴

デコトラで公道を走行するには車検に合格することが欠かせません。

見た目だけで判断すると車検に合格するのか不安ですが、公道を走行しているデコトラは、車検に合格している証。デコトラを所有する際は車検基準やどのような装飾が違反となるのかなどを確認しておきましょう。

 

車検に合格しないデコトラ

ここでは、車検に合格しないデコトラについて解説します。

 

規定外の外装パーツをつけているデコトラ

外装に大きなバンパーやウイングなどがついている場合、全高や全幅、全長を確認しなければなりません。

車検時に車検証に記載されたボディサイズと、車のサイズが合致していることが必須条件。しかし、ボディサイズが変わった車は登録時に運輸支局で「構造変更」の申請をすれば改造車として認められます。見た目だけで判断せずに、車検時には必ず車検証と照合しておきましょう。

 

マフラー音の大きなデコトラ

多くのデコトラは、マフラー音が通常のトラックより大きいです。

マフラーは排気装置であり、音を出す装置ではありません。ときに騒音となるマフラー音は社会問題となり、マフラー音に対する規制がかけられました.

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(2020.12.25現在) 第118条には、騒音に関する基準や規定が定められてます。デコトラも普通車と同じように、「定常走行騒音の測定方法」に定める方法で測定した定常走行騒音をdBで表した値が85dBを超える騒音を発しないことが車検の合格基準です。基準値を超えたデコトラは車検に受かりません。

 

華美な電飾のデコトラ

華美な電飾を施したデコトラは、周囲の車に対して視界を遮る可能性もあります。

 

デコトラを扱う業者であれば車検を受けられる

デコトラの車検は一般的な整備工場や車検専門店などに依頼しても、断られることも少なくありません。

その一方で安易に車検を受け入れる業者も注意が必要です。デコトラを扱う業者のには、本来なら合格しない車体でも全て合格していると見せかけて陸運局に保安基準適合証を提出する、いわゆるペーパー車検を行う悪徳業者もいます。

デコトラは車検基準を満たした車に戻す必要もあり、作業は費用と時間がかかります。しかしデコトラをメインで取り扱う業者であれば、適正な車検が受けられます。

 

コンテナ専用トラックとは

中古デコトラの購入先

デコトラに憧れてトラックドライバーを選んだ人は少なくありません。

しかし、自分のデコトラを持つことは容易ではありません。その理由として、車両の価格と維持費が挙げられます。

 

デコトラのベースになるトラックの相場価格

デコトラのベースに使われるトラックは、トラック野郎のモデルにもなった三菱ふそうキャンター。

現行車で8代目となるキャンターは、ディーゼルハイブリッドシステムが搭載されています。新車価格は450万円〜510万円以上するグレードもあり、簡単に購入できるものではありません。

他にも日野レンジャーやいすゞエルフなどデコトラのベース車として人気がありますが、これらの車両を購入するには500万円以上が必要。デコトラにかかる費用を考えると、新車からのデコトラは相当ハードルが高い買い物です。

 

中古のデコトラを購入しよう!

新車からデコトラを仕上げるには、時間や膨大なお金がかかります。

自分好みのデコトラに仕上げる楽しみもありますが、時間や予算などを考えれば中古のデコトラを購入するのが1番の近道です。

 

デコトラ専門店からの購入

最近では減少しましたが、デコトラの製作やメンテナンスをするデコトラ専門店があります。

デコトラ専門店は中古のデコトラも取り扱っている業者も多いです。また、トラックを扱う整備工場のなかにはデコトラに詳しい場合もあるので、気になるようであれば問い合わせしましょう。

 

インターネットオークションやサイトからの購入

デコトラは特殊車両なので、乗用車を扱う中古車販売店では販売されていません。

ラインナップが多いのはインターネットオークション。インターネット検索すると、デコトラのオークションやサイトが数多くあります。自分に合ったデコトラを探して購入できます。

 

コンテナ専用トラックとは

デコトラは海外ではアートと評される独自の進化を遂げたトラック

今回は「デコトラはどこで購入できるのか」「デコトラの現状」「デコトラの車検事情」などについて解説しました。

今回の内容を以下にまとめました。

・デコトラは玩具メーカーが作ったプラモデルから
・水産業で使われていたオート三輪の劣化防止対策が始まり
・1970年代には豪華絢爛なデコトラが映画やメディアでもブームになるほど人気を得た
・時代の流れとともに公道で見かけることはほとんどなくなった
・インターネットの普及で海外ではアートとして受け入れられるようになった
・海外ではあくまで働く車として扱われるトラックへの装飾は日本の文化ともいえる
・デコトラを購入したい人はデコトラ専門店やインターネットの活用がおすすめ

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